「偏差値30からの中学受験 卒業編」 鳥居りんこ

2008. . 02
偏差値30卒業

偏差値30からの中学受験の高校卒業編。

ハチャメチャちょっとホロリの中学受験を経てめでたく中高一貫校に

入学したたこ太くんのその後の中学高校生活。

偏差値30からの中学受験というオリジナルは実は本ではなくて

作者のブログで読んでとても楽しんだ。

その次の「中学に入ってどうよ!?」という本は

受験の興奮冷めやらぬ状態での、ハイテンションな私立中学レポだった。

たこ太くんはどうも成績が良くなく作者はそれを深海魚と呼んでいる。

でも頭が悪いというよりは「勉強しやしねぇ!!」という母の

愛あふれる怒りのエッセイなので、もう本当に笑えた。

そのノリでこの本も読んだのだが、どうも勝手が違う。

なんだか深刻なのだ。


中1の時まではまだ余裕をもって接していた成績不良も

中2あたりからは笑っていられなくなってきたらしい。

そして何より暗い影を落とすのはたこ太くんの不登校問題。

今までの感じだとお気楽な明るい少年というイメージだったのだが

かなり無気力になってしまったみたいだ。

母(作者)はもちろん気が気じゃなく学校にも友人にも本人にも

働きかけて原因追求、問題解決に奔走する。

きっかけはやはりイジメらしい。

先生にもくってかかる。

相手方の生徒も母子で家まで謝罪にやってくる。


作者の対応が正しかったか否かはわからないが

ともかくたこ太くんは学校をやめずに高校に進学する。



何でしょうこれ。

ぜんぜん笑えません。

帯にも「これ、他人事じゃなくってよ!?」とある。

いやほんと・・・・。


予想していた内容とはかけはなれていたけど

たこ太くんの成長と思春期真っ最中の子供のことを理解しようとしている

母に必死さは伝わる。

良かれと思って進学させた学校に裏切られた気もよくわかる。



しかし、無気力で何でもかんでも「めんどくせぇ〜」というわが子を何とかしようと

ジュノンボーイコンテストに連れ出すくだりはちょっとあきれた。

本人にやる気がないのにどうしてそっちの方向?

いや、もしかしたら実はたこ太くんはすごくビジュアルはいけているのか?!

性格的に社交的外交的であるとか、ルックスビジュアルにたけているとか

俳優にあこがれているとか、何かしら親もそして結局コンテストにのこのこついていく本人も、

ちょっとは自覚できるものがないと、ジュノンボーイはないよなぁ。

めんどくせぇ」と言いながらオーディションうけるなんてわが子では考えられない。

もちろん性格的にもビジュアル的にもね(^^;)。

そういえば、以前テレビで松山ケンイチが「家でなんにもしないでごろごろしたり

フラフラして悪いことしてばっかだったんで、親が(オーディションに)応募して、

通ったんで上京したんです。」って言ってた。

たこ太くんと同じような感じだったのかしら。

松ケンのその後の活躍を思えば、お母さんのその行動は大正解でしたね。

成功例があるところを見るとあながち的外れな行動でもないんですね。


高校生になると、本人もそして友人たちも大人になるのか

精神的にちょっと落ち着く。

楽しそうに学校に通えるようになって何より。

ただし成績はぱっとしないらしく、お勉強に関しては愚痴のオンパレード。

もうほっときゃいいのに・・・


う〜ん他人様のことはそう思えてもいざ自分がその立場だったら

やっぱりがみがみぐちぐち言うのかしら・・・?

でも、作者も言ってるけど、怒るのってエネルギーがいる。

おこごとひとつとってもエネルギーがいるので、そうそういい続けられるもんじゃない。

たこ太くんじゃないけど母だって「めんどくせ〜」って思うもの。

私はかなり思う(苦笑)。


大学受験の結果はかかれていなかった。

たぶん浪人って雰囲気。

でも年齢的に子育ては終了ですね。

りんこさんお疲れ様。

子供への心配はいくつになってもするんだろうけど

自分で自分の落とし前をつける大人になってしまったら

もう親関係ないでしょ。

(あとは経済的なことだけか)

なんだかさみしい。

喜ばしいことなんだけど、なんかさみしい


最後母にそんなセンチな気分にさせてくれる本でした。

笑えはしなかったけど、しみじみさせてもらえました。



★★★★☆


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