『僕はお父さんを訴えます』 友井 羊

僕はお父さんを訴えます僕はお父さんを訴えます
(2012/03/09)
友井 羊

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何者かによる動物虐待で愛犬・リクを失った中学一年生の向井光一は、同級生の原村沙紗と犯人捜しをはじめる。「ある証拠」から決定的な疑惑を入手した光一は、真相を確かめるため司法浪人の久保敦に相談し、犯人を民事裁判で訴えることに。被告はお父さん―母親を喪った光一にとっての、唯一の家族だった。周囲の戸惑いと反対を押して父親を法廷に引き摺り出した光一だったが、やがて裁判は驚くべき真実に突き当たる!2012年第10回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞受賞作。

「このミス」で大賞の次の賞の優秀賞。
なんか大賞はもめにもめたのに優秀賞はこれにあっさり決まったとか。
普通大賞争った作品が次点になるんではないのか・・・?

大賞ってほどではないけどキラリと光る、そんな感じの作品でしょうか。

題名通り、少年がお父さんを訴えるお話。
正直言って伏線というかヒントが満載すぎて
ラストまで全くの予想通り。
ミステリー読み慣れていればどんでん返しはないといえます。

むしろ大賞を争った作品が次点で優秀賞にならなかったのはなぜかと。
そちらの方が謎(笑)

一応読者をびっくりさせようとしているのはわかるんですけど
コピーにあるような「驚愕の事実」は言い過ぎだよね。
バレバレだもん。

文章がうまいし、読みやすくさくっと数時間で読みおえます。
軽すぎて、図書館で借りたんですけど、購入するほどの気分にはなりません。

やっぱり動物虐待の話はなんか嫌で
なんだかな・・・って気分のラストですが
これも何となく明るくまとまっちゃってて
気持ちの持って行き場がない感じ。

でも読みやすい軽い文章だったので
なんか方向変えたら面白い作品に出会えるかも。
次の作品読んで見たいとは思いました。




ところで解説で、香山二三郎さんが「このミス」の選評で
「道尾秀介調の痛い青春もの系には既視感があるし、話作りも
ちょっとこじんまりしている」と評したとあります。

ちょっと待て

道尾さんのどの作品が痛い青春ものなんだ?←そこ?(笑)

少年とDVつながりで「向日葵の咲かない夏」とか「月と蟹」とか?
まぁ連想はできるけど、「痛い青春もの」って違うよ。

「カササギたちの四季」は爽やか路線だったけど痛いか?
「水の柩」のこと言ってるのか?

痛い青春ものと言うならむしろ伊坂幸太郎だろうと。

あ、もちろん伊坂さんも大好きです。

この作品のイメージは伊坂というよりは道尾だけど
香山さんのこの評は違和感あるな〜。

なんか作品と関係ないところでエキサイトしてしまいました



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『源氏物語 紅葉賀』 瀬戸内 寂聴

巻二 (源氏物語)巻二 (源氏物語)
(1997/02/14)
瀬戸内 寂聴

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源氏物語 第七帖 紅葉賀

『紅葉賀』とばしてレビュー書いちゃいました。
こちらは前半のシリアスさと
後半の、『末摘花』のようなちょっと笑える雰囲気が混在しています。

源氏が18才のとき藤壺が源氏との不義の子を出産します。
皇子は源氏にそっくりで、藤壺も源氏も冷や汗たらたらです。
とはいえ、思いつめているのは藤壺の君だけで
源氏といえばまたふらふら恋のハンターなわけです。

かなり年配の源の典侍(げんのないしのすけ)にまで手を出しちゃいます。
この女房もかなりの色好みで、はためからは
眉をひそめるようなはしたなさなんです。

でも果敢にチャレンジの源氏をみて
負けじと頭の中将までちょっかいだしはじめるし
まったく暇で平和なお坊っちゃんたちだわ。

後半は二人のちょっと笑えるおふざけの内容ですが
この間にも藤壺ちゃんは罪の意識でそうとう消耗していたことでしょう。

藤壺にたいして源氏のお気楽ぶりが際立つ帖です。
対比がすごい。

登場人物がふえてきました。
ごちゃごちゃにならないように
整理しながら読まないとですね。



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『数奇にして模型』 森 博嗣

数奇にして模型 (講談社文庫)数奇にして模型 (講談社文庫)
(2001/07/13)
森 博嗣

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模型交換会会場の公会堂でモデル女性の死体が発見された。死体の首は切断されており、発見された部屋は密室状態。同じ密室内で昏倒していた大学院生・寺林高司に嫌疑がかけられたが、彼は同じ頃にM工業大で起こった女子大学院生密室殺人の容疑者でもあった。複雑に絡まった謎に犀川・西之園師弟が挑む。

図書館から借りた本を全部読んだので、なが〜いこと積んでいた
森ミステリィ(森さんはミステリーではなくてミステリィなんですよね)を
やっと読み終わりました。

文庫で720ページ、結構な大作です。
ちょっと時間かかりましたが、面白く読めました。

森作品はいろいろなシリーズがありますが
この犀川と萌絵のS&Mシリーズが一番好き。

スカイクロラのシリーズはちょっと別格なんだけど
四季シリーズよりはずっと好き。
四季シリーズはちょっとわけわかんないんだもん(苦笑)

事件と推理とはまた別の登場人物たちの
屁理屈な会話が好き。
こんな会話、日常でしてる人がいたらすっげー頭いいなって思うけど
めちゃくちゃめんどくさいかもね(爆)

犀川と萌絵のラブラブ(?)ぷりはいいですね〜。
犀川のツンデレっぷりが好き。
事件自体は毎度のことだけど、ものすごく凄惨なんですよね。
登場人物みんなちょっと麻痺しちゃってるのか
反応が鈍くないか?

首なし死体が二つも出てくるんですけど
そんなの発見したらトラウマで3日は寝込むでしょ、普通。
いやでも森ミステリィは理系っぽい無機質な感じが
有機的なグロさを中和しているのか
どうもえぐくないんですよね。
不思議だ。

かなり長いお話ですが
あっちこっちいろいろ脱線しつつミステリィはきっちりしています。
ふ〜、満足満足^^


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『源氏物語 花宴』 瀬戸内 寂聴

巻二 (源氏物語)巻二 (源氏物語)
(1997/02/14)
瀬戸内 寂聴

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源氏物語 第八帖 花宴

宮中で桜の宴があり、頭の中将と舞いを披露する源氏。
藤壺と会えるかとうろうろしていると
朧月夜の君を見かけます。

美人をみたらとりあえず口説くのがデフォの源氏くんなんで
当然襲っちゃいます。←こういうところが嫌い

朧月夜ちゃんも最初は「誰!?きゃぁ、助けて!」みたいな感じだったのに
光源氏だとわかったとたん、まぁいいかってなっちゃうのどうよ。

名前も教えず扇を交換するだけで
「私を見つけてみて」なんて言っちゃう朧月夜ちゃん、なかなかの悪女タイプです。
実のところ光源氏のお兄さんの東宮の婚約者だし
若いのに奔放なタイプなんだなと思われます。

今までは光源氏に言い寄られて、なし崩しになっちゃってた女性ばかりだったので
今回の恋は朧月夜の君の意思が感じられてまともな恋愛っぽくてよかったです。

光源氏みたいに浮気ものでロリコンでやりたい放題の話が
平安の昔から読み継がれてきたのはなぜだろうと思っていました。

光源氏はどうでもよくって
彼のまわりの多くの女性たちの生き様が描かれていて
それが素晴らしいのだと思います。

自分の意思どころか尊厳すらあるんだかないんだかの
政略結婚の道具でしかないような彼女たちの
葛藤や生き様が見事に描かれていて
そこが源氏物語の本領なんだとわかりました。

正直まだ光源氏が好きになれないんですよね。
少なくとも今の時点では顔や芸事ばっかり良くっても
あんまり人間的な器はどうかと思いますね。
子供だし、今後の成長に期待します。




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『ひそやかな花園』  角田 光代

ひそやかな花園ひそやかな花園
(2010/07/24)
角田 光代

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幼い頃、毎年サマーキャンプで一緒に過ごしていた7人。
輝く夏の思い出は誰にとっても大切な記憶だった。
しかし、いつしか彼らは疑問を抱くようになる。
「あの集まりはいったい何だったのか?」
別々の人生を歩んでいた彼らに、突如突きつけられた衝撃の事実。
大人たちの〈秘密〉を知った彼らは、自分という森を彷徨い始める――。


前半はとにかく「あのサマーキャンプはなんの集まりだったのか」という
謎一点で引っ張っていきます。
謎があきらかになるにつれて、今度は迷い戸惑う若者たちの
自分探しの話になっていくのですが
そこらへんが、登場人物が多いこと
細かい描写が多いことなど相まって、どうもだれる。

いつまでもグダグダうだうだしていて
どうしたらいいのか、どうしたいのかもよくわからない若者たち。
彼らの逡巡や迷いにちょっといらっとして
「いいかげんにせい!」と喝をいれてやりたい気分になります。

でも、そんなぐるぐるとした気分が
ラストにきて一気にはれていくのは見事です。

正直、寄り道が多過ぎていまいちな気分で読んでいたのですが
ラストまぎわでの彼らの心情の変化や
前向きな方向性は感動しました。

やはりそこに至るまでの道が長く暗ければ
得られる光も大きく美しく感じられるのでしょう。

振れ幅の大きい作品です。
重苦しくうっとうしく(少々退屈な)中盤があるからこそ
再生と希望のラストがものすごくいきてきます。

そもそもあのサマーキャンプに集う母たちの気持ちは
私は理解できません。
夫の気持ちを思えば、それってどうなの?と普通は思い至るのではないでしょうか。

思いいたらない母たちが複数いたから成立したお話なんですけどね。
でももう少し夫婦愛が描かれてもいいんじゃないかと・・・。
それは皆無でしたね(苦笑)

実はお初の作家さんです。
超売れっ子なのに^^;
代表作『八日目の蝉』をドラマでみてしまい
なんとなく読みそびれちゃったんですけど
家族をテーマにした作品が多いのでしょうか。

重いテーマのわりにはさらっと読めるので
ほかの作品にも興味がわいてきました。

最近ちょっと「これだ!」という作品に出会えてなかったので
中ヒットって感じでした。

すごい上からですよね、すみません。
どうも最近『あさきゆめみし』にかかりっきりで、小説あんまり
発掘できてないんですよね。
なんか面白い本ないかな〜〜〜。



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